第3回「インストラクター初日にクビで闘志!!」

目標はプロ。その前に、まずはインストラクターの道を目指すという決意から1年後くらいに、願いが叶いました。ここまではそんなに大変じゃありません。年間平均70台のスコアでまわれるようになると、練習場でインストラクターができるようなるわけですから。スコアを達成できたころ、小池兄弟に紹介してもらって都内の練習場に採用してもらいました。
これでゴルフで自立できるのだ、ラジオの組立内職ともお別れだと、それはもう嬉しかったですよ。小池兄弟には何から何まで助けていただき、命の恩人のように思っています。
いよいよ初仕事の日。「ラウンドレッスンをお願いします」と言われて大箱根のゴルフコースに連れて行かれました。そこまではいいんですが、人生ってそんなに順調にいかないものだという経験を初日からすることになるなんて、思ってもいませんでした。
何があったかというと・・・。バンカーから脱出できなくなってしまったんです。大箱根のバンカーは、足が埋まるくらいにサラサラしていました。ヘタに打つと素通りしてしまうし、力を入れてもダメ、抜いてもダメ。どうにもなりません。結局1日でクビです。だって、お客さんはラウンドで上手くなりたいから、お金を出してわざわざインストラクターを頼んだわけで、そいつがバンカーにはまっているんですからね。当然、報酬も出ません。
落ち込んだなんてもんではありませんよ。もう、お通夜よりひどい。帰りの車の中で泣き出しそうでした。でも、アパートに帰って小池兄弟に相談して闘志が湧いてきました。深いバンカーのある我孫子に連れて行ってもらって、練習に練習を重ねました。つまり、いろいろなバンカーを経験してなかったことが失敗の原因だったわけですからね。後のプロ生活でバンカーの得意な金井に転向できたのは、この初日のつまずきがあったからなんです。
(次号に続く)